睡眠と肺炎・風邪罹患との関係
こんにちは、やま茶です。
海外ではパンデミックになってますね、新型コロナウイルス。日本にもやってきそうで怖いです。外出禁止令なんて人生で経験したことないですしある意味貴重な経験?!
そんなことより、このような事態を避けるためには一人一人が対策するという地道な努力が必要になります。
咳症状のある人は飛沫分散防止の観点からマスクは有効ですので、症状のある方はマスクを。
また、手洗い・うがいは咳症状あるなしに関わらず必須でしょう。
今回は上記以外の対策を科学的視点で解説したいと思います。
前回は、腸免疫について書きました。まだ読まれていない方はこちらからどうぞ 。
本記事は以下のような方にオススメです
・新型コロナウイルスにかかりたくない方
・マスク・手洗い・うがい以外の風邪予防策(新型コロナウイルスは風邪ウイルスです!)を知りたい方
・睡眠の免疫効果を知りたい方
マスク・うがい・手洗いは、外からのウイルスに対しての予防策ですね。
こちらでは内側からの対策を紹介します。つまり、内側から免疫力を高めるということです。
見えないウイルスに神経をとがらせるよりは、自分の免疫を高めておいたほうが堂々と毎日を過ごせますよね。やま茶は、普段から免疫を高める習慣を身につけているので、マスクなしで堂々と出歩いています。
※どの対策も100%防げるというものはございませんのでご了承ください。
睡眠と免疫
なんだ、睡眠か。そう思ったあなた!睡眠の威力をきちんとご存じでしょうか?
では早速文献を紹介しましょう。
睡眠不足は免疫力に影響を与えるということはこれまでも言われてきました。
こちらの論文は、睡眠時間と肺炎罹患のリスクの関連についての4年間調査した前向き観察コホート研究です。
P:56953人の女性看護師(37〜57歳)
EC:睡眠時間が5時間未満の人vs 8時間の人
O:年齢で調整した肺炎罹患リスクは、5時間未満の睡眠の人は8時間睡眠の人と比べて1.70倍 (95% CI 1.30-2.23)高いという結果でした。また、他の交絡因子で調整した肺炎罹患リスクも、5時間未満の睡眠の人は8時間睡眠の人と比べて1.39倍 (95% CI: 1.06-1.82)高いという結果でした。
睡眠不足と上気道炎罹患の関連を後ろ向きに調査した研究もあります。
参加者に睡眠時間と過去1ヶ月で風邪や肺炎などの感染に罹患したかどうかを聞き込みしてロジスティック回帰分析にて交絡を調整しています。
P:22726人のアメリカ人(平均46.2歳)
EC:睡眠時間が5時間未満の人 vs 7〜8時間睡眠の人
O:睡眠時間が5時間未満の人は7〜8時間睡眠の人と比べて、1ヶ月以内に悪寒や咳などの症状が1.28倍(95% CI, 1.10–1.48)あった。また、インフルエンザ・肺炎・中耳炎を含む感染にかかった人は、7〜8時間睡眠の人と比べて5時間未満睡眠の人で1.82倍( 95% CI, 1.42–2.34)高かった。
参考までにPECOは、P:対象者, E:介入や暴露(5時間未満の睡眠), C:比較対象(8時間睡眠), O:結果を意味します。
以上です。参考になりましたか?これらの研究によると7〜8時間は毎日睡眠を確保したいですね。
※実は、5時間未満の睡眠でも十分に睡眠が足りていると自覚している(日中のパフォーマンスを下げない)人では免疫は下げなかったそうですので、普段からショートスリーパーの人は無理に7〜8時間の睡眠をとる必要はありません。
今回は感染への罹患についての睡眠の効果を紹介しましたが、仮に風邪にかかってしまったとしても十分な睡眠は回復力UPにもなります。
腸免疫と併せて十分な睡眠で日頃から免疫力UPを維持していきましょう。
といってもなかなか満足した睡眠を取れない方には、忙しいビジネスパーソンでもできる良質な睡眠をとるメソッドについてわかりやすく解説されたこちらの本がおすすめです。
睡眠と免疫のメカニズムについてはまた後日記事にします。
20200408記事更新しました!
以下、参考文献